環境/リサイクル

フェザーとダウンのリサイクル

環境からの資源を大切にするために、廃棄物は可能な限り再利用され、二次素材または素材として付加価値を作り上げる循環に再び取り込まれなければなりません。寝具用羽毛加工を通してドイツ国内のみで約950トンの廃棄羽毛があると推測されています。欧州市場全体を見ると、この数値は何倍にも膨れ上がります。これまで廃棄羽毛は廃棄を行うもの(庭師など)により回収され、廃棄場に運搬されるか、廃棄物焼却所にて焼却されました。羽毛の廃棄場または焼却所での廃棄は将来より難しいものとなります。

それゆえ、ホーヘンハイム大学はEDFAからの委託を受け、「廃棄羽毛の農産業および園芸における窒素肥料としての利用」という研究プロジェクトを行いました。

羽毛を肥料として利用するためには、二次産物肥料を定義する肥料法定のほかに、3つの前提条件が検証されなければなりませんでした。

  1. 効果を発揮する物質は何か?
  2. 有害物は何か?
  3. 植物への適合および肥料としての効果はどのようなものか?

効果を発揮する物質

羽毛粉、骨粉、有機肥料の栄養価比較
  羽毛粉 骨粉 有機肥料
(平均値、例) 45 70 18
有機物質 (C)(%) 14 10 1.7
窒素 (%) 3.2 7 10.6
C/N比      
その他の主要物質(g/kg TS)   1.8 2.5
リン酸塩 2.9 1.2 5.0
カリウム 1.5 0.3 1.5
マグネシウム 0.8    
図 1 -羽毛粉、骨粉、有機肥料の栄養価比較

有害物

堆肥と比較した羽毛粉の重金属含有量
  羽毛粉 堆肥
(平均値; mg/kg TS)    

< 4

50
カドミウム < 0.4 0.4
クロム < 4 25
15 30
ニッケル < 4 10
水銀 < 0.02 0.2
図 2 - 堆肥と比較した羽毛粉の重金属含有量

植物への適合および肥料としての効果:

羽毛廃棄物における栄養物質の化学結合
状況:

栄養物質はケラチン(角質)に結合

=高分子コラーゲン体

科学的および力学的に高い耐久性を前提とする

問題点:

植物および動物のための栄養物質の溶解性および可用性が非常に低い

即時的に溶解される窒素:約0.5 %

解決策:   

羽毛廃棄物を羽毛粉にとして粉状することにより窒素可用性向上(植物に利用可能な溶解性N結合のために土壌内での微生物反応を促進)

委託:

2つの研究プロジェクトにおける有機窒素肥料としての羽毛粉の使用に関する調査
参加団体:

  • シュットゥットガルト・ホーヘンハイン大学植物栄養研究所(スポンサー:欧州羽毛寝具産業組合)
  • 北京大学(中国)の植物栄養および土壌学研究所(BAU)(スポンサー:L. H. Lorch 株式会社、ドイツ、エスリンゲン)
図 3 - 羽毛廃棄物上での栄養物質の化学結合

このリサーチは有機農業および園芸業における羽毛粉の導入に焦点を絞りました。何故なら、この分野では即座に溶解する合成ミネラル肥料が使用されていないからです。ここでは骨粉製品およびひまし油粕を肥料として使用しています。このような場所での羽毛粉の導入は理想的であり、またコンセプトとして実践可能であると判断されました。

研究活動の枠内で、まず羽毛粉に含まれる窒素の放出に必要とされる期間を調査するという目的で培養実験が行われました。また、その他の有機窒素肥料(骨粉)との比較も行われました。

この際、異なる粉砕度の羽毛粉を段階的な量で土壌に混ぜ、何週間も同じ条件下で(高温、高湿)保管しました。一定の期間ごとに土壌と羽毛粉の混合の容器が取り出され、土壌溶液のなかの無機化された(溶解)窒素(硝酸塩、アンモニウム)が測定されました。この実験はドイツおよび中国で行われました。

興味深い結果として、ドイツでの実験で放出された窒素のパーセンテージは骨粉のほうが羽毛粉より高かかった一方、中国ではその逆であったということです。

図 4:窒素に乏しいローム土壌内での羽毛粉と骨粉からの窒素放出
(シュットゥットガルト・ホーヘンハイム大学植物栄養学研究所)

 

図 5:野菜栽培および農業に使用されている土壌内での羽毛粉と骨粉からの窒素放出(%)(培養実験 北京大学)

12週間後に最大50 %の窒素放出という図 4 は優秀な結果と判断されます。研究のさらなる活動は容器内実験として行われました。その目的は、骨粉およびミネラル肥料(ケラチン)と比較した羽毛粉の肥料としての効果を明確化することでした。

図 6:農業に使用されている土壌での粗挽きの羽毛粉および骨粉(1mm)および尿素を肥料として与えた場合のカノーラ(菜種)の収穫量(刈り取り直後)(ポット実験 北京大学)

異なる土壌に異なる粉砕度の羽毛粉を段階的な量で肥料として与え、収穫量への影響および野菜栽培での窒素含有量を調査しました。

まとめ:

有機物分解実験およびポット実験では :

  • 羽毛粉からの比較的早く継続的な窒素放出
  • 骨粉と同様な羽毛粉の肥料としての効果のよさが示されました。

農業および園芸業における有機窒素肥料としての羽毛粉の使用は、良い結果をもたらすものであろうと考えられます。

ドイツ経済省によるアンケート結果によれば、羽毛粉からの窒素肥料などの二次産物肥料への社会からの興味は高く、希望があれば、承認も考えられるとのことです。

 

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